有価証券(資本証券)ってなに?

スポンサーリンク
この記事は約4分で読めます。

有価証券とはその名の通り、価値のある紙のことです。

主に3つに分類されます。

  • 商品証券
    指定の商品を受け取る権利を表す証券
    例:船荷証券、倉庫証券など
  • 資本証券
    企業や国が発行し、投資の対象となる証券
    例;株式、公社債(国債、社債、地方債)など
  • 資本証券
    支払手段や価値のある保証がある証券
    例:小切手、約束手形など

この記事では資本証券について掘り下げていきます。

資本証券

主に資金調達や投資目的で使われる証券です。

以下に株式と、公社債の比較表をつくってみました。

項目株式公社債
発行者企業国、企業
投資の意味企業のオーナーになれる国や企業にお金を貸す
収益配当金 + 株価値上がり益利息(クーポン)
リスク高い低い
満期無しあり
発行目的資金調達資金調達
価格変動と要因大きい、会社の業績小さい、金利
倒産時の優先度低い高い

どちらも資金調達を目的としたものですが

株式は出資して、配当金や株価の値上がり益を収益とすることができますが、倒産時には紙切れとなります。

それに対し、公社債は貸付けのようなものです。期日に一括返済が一般的とされており、その間利息を受け取ることができます。

利息はクーポン利息といい、発行時に設定する固定金利です。

有価証券の保有目的

有価証券を購入するのにも目的があります。

  • 売買目的有価証券
    短期的に売買して利益を得る目的で購入される社債や株式
    時価もしくは企業業績で評価される
  • 満期保有目的債券
    満期まで保有することを前提に購入された社債
    売却予定が無く、利息で収入を得る
  • 子会社株式・関連株式
    親会社が自社の子会社や関連会社の社債や株式を購入し、投資する
    資金補填や支配権の確保
  • その他有価証券
    目的が明確でない、または中長期的な投資を目的に購入される社債や株式
    時価もしくは企業業績で評価される

有価証券の中でも長期的な投資目的で購入する場合、その有価証券は「投資有価証券」に分類されます。

保有目的別勘定科目

ほとんどそのままですが、下記のように勘定科目を使い分けます。

保有目的勘定科目
売買目的有価証券売買目的有価証券
満期保有目的債券満期保有目的債券
子会社株式子会社株式発行株式の51%以上
関連会社株式関連会社株式発行株式の20~50%
その他有価証券その他有価証券

子会社株式か、関連会社株式は発行株式のうち何割保有するかで変わってきます。

原価取得の計算式

株式の取得原価 = 購入単価 × 購入株数 + 付随費用

公社債の取得原価 = 購入単価 × 購入口数 + 付随費用

付随費用とは購入にかかった手数料です。
取得原価は手数料を含めることを忘れないようにしましょう。

有価証券の仕訳例

売買目的で株式100株を1株1000円で購入し、手数料100円とともに当座預金から支払った
借方貸方
売買目的有価証券100,100当座預金100,100
株を1株110円で100株売却し、代金は月末に受け取る
借方貸方
未収入金110,000売買目的有価証券100,100
有価証券売却益9,900

もし、購入時より、売却時のほうが株価が低い場合、借方:有価証券売却損で計上します。

複数回に分けて購入し、売却するケース
期中に2回購入。1回目に50株を1株300円、2回目に50株を1株400円で購入
合計100株のうち、50株を1株500円で売却し、現金で受け取った。平均原価法で記帳している
借方貸方
現金25,000売買目的有価証券17.500
有価証券売却益7,500

1回目の株の合計 + 2回目の株の合計 / 株の総量で平均単価がでます。

利息や配当金を受け取った場合
借方貸方
配当金現金1,000受取配当金1,000
利息現金1,000有価証券利息1,000

利払い日前に売買した場合

公社債は額面と利息クーポンがセットになっています。

例えばA社の発行した社債には
100,000円の額面(1口100円を1000口)と利息クーポン(利払い日:翌年3/1、 利息:1%)という内容です。
A社は3/1にB社に売買しました。
しかし、B社は9月1日にC社に売買しました。

ここで問題になってくるのはB社には3月1から9月1まで保有していたため、その分の利息を受け取る権利があります。

この場合、C社はB社にその分の利息を支払い、C社は利払い日に満額の利息を受け取ることで分配できます。

この利息のことを端数利息といいます。

端数利息 = 利息 × ( 保有日数 / 利息期間の日数 )

上記例の端数利息の計算は ( 100,000 × 1% ) × (184 / 365) = 504.109円(四捨五入or小数点以下切り捨て)

B社はC社に9/1に社債1口100円で1000口売り、代金は端数利息とともに現金で受け取った。
借方貸方
現金100,504売買目的有価証券100,000
有価証券利息504
C社の仕訳
借方貸方
売買目的有価証券100,000現金100,504
有価証券利息504

C社は有価証券の利息分(端数利息)を購入時にB社に払うということでしたが
仕訳では有価証券利息の勘定科目を使います。

借方貸方
現金1,000有価証券利息1,000

利払い日には満額入ってきますので、端数利息分は前もって振替えておくイメージです。
よって有価証券利息の残高は496円となります。

スポンサーリンク
この記事を書いた人
nao

【20代でがんを経験、生活を見直し健やかな暮らしを目指しています】
当たり前に過ごしてた生活が実は体に良くないことばかり|食を中心に健康について勉強中|病気になる前に予防できることを知ってほしい

naoをフォローする
経理

コメント

タイトルとURLをコピーしました