アセスルファムKって聞いたことありますか?
食品を甘くするための人工甘味料の一つです。お菓子、ジュース、アイス、アルコール飲料などに含まれています。
アセスルファムKとは一体どのようなものなのか気になったので調べてみました。
アセスルファムKってなに?
アセスルファムK(アセスルファムカリウム)とは、砂糖の約200倍の甘みをもつ人工甘味料です。
合成が比較的容易で水に溶けやすく、耐酸性、耐熱性に優れているといった特徴をもっています。
そのため、調理に使いやすく、現在では100品目以上の食品に使用されています。
また、高濃度のアセスルファムKは苦みが感じられるため、その他の人工甘味料や砂糖と併用して使用されることもあります。
体内への吸収及び排泄について
ヒトにおいては、アセスルファムカリウムを服用後24時間以内に、97.5~100.0%が尿中に排泄され、糞中への排泄は、0.7~0.8%であり、服用後7日間にほぼ全量が排泄されている。尿中排泄量から推定すると、ヒトにおける吸収率はほぼ100%である。また、服用後1~1.5時間以内に最高血中濃度に達し、半減期は約2.5時間であった。
引用:日本食品化学研究振興財団:薬事・食品衛生審議会資料 項目7
体内では代謝にも影響がないことから、カロリー(エネルギー)は0です。
アセスルファムKの安全性や承認状況
次にアセスルファムKの安全性について調べてみました。
安全性について
WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)の合同食品専門家会議では許容摂取量(ADI)15mg/kg(体重1kgあたり15mg)とし、安全であると結論付けています。
その他、EFSA(欧州食品安全機関)、FANZ(オーストラリア・ニュージーランド食品規制機関)、FDA(アメリカ食品医薬品局)などの機関でも許容基準内であれば安全であることを確認しています。
日本での使用基準
アセスルファムカリウムの使用量は,あん類,菓子及び生菓子にあってはその1kgにつき2.5g以下(チューインガムにあってはその1kgにつき5.0g以下),アイスクリーム類,ジャム類,たれ,漬け物,氷菓及びフラワーペーストにあってはその1kgにつき1.0g以下,栄養機能食品(錠剤に限る。)にあってはその1kgにつき6.0g以下,果実酒,雑酒,清涼飲料水,乳飲料,乳酸菌飲料及びはっ酵乳(希釈して飲用に供する飲料水にあっては,希釈後の飲料水)にあってはその1kgにつき0.50g以下,砂糖代替食品(コーヒー,紅茶等に直接加え,砂糖に代替する食品として用いられるものをいう。)にあってはその1kgにつき15g以下,その他の食品にあってはその1kgにつき0.35g以下でなければならない。ただし,健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定による特別用途表示の許可又は同法第29条の規定による特別用途表示の承認を受けた場合は,この限りでない。
引用:厚生労働省:食品添加物の指定、使用基準の改正等について
食品によって使用基準が設けられているようです。
ADI(1日摂取許容量)が15mg/kgなので
成人の平均体重を男性78kg 女性平均65kg
5歳の子供の平均体重を20kgとした場合
男性の場合、1170mg(1.17g)
女性の場合、975mg(0.975g)
子どもの場合、300mg(0.3g)
以上の数字が摂取許容範囲となります。
さまざまな食品に添加されていると考えると、食の偏りがある人や、お酒やジュースを飲み過ぎてしまう人は基準を超えてしまうのではないかと心配な数値ですね。
ですが、ADIというのは無毒性量の100分の1で定められているため、基本的には問題ないでしょう。
アセスルファムKの健康リスク
アセスルファムKは摂取許容量の範囲内であれば安全とされていますが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼします。また調べていくうちに気になる点があったのでまとめておきます。
健康リスク①塩化メチレン
アセスルファムKが懸念される要因として塩化メチレンが含まれる可能性があるということです。
アセスルファムKの製造過程で塩化メチレンが溶媒として使われている場合があります。
塩化メチレン(正式名称:ジクロロメタン)は強い毒性をもっており、発ガン性の疑いがあり、
その他、生殖機能または胎児への悪影響、中枢神経系、肝臓への障害などの危険性があります。
健康リスク②免疫力の低下
また、動物実験でアセスルファムKを含むエサをイヌに2年間与えたところ、リンパ球の減少、肝臓に異常がある際に増えるALT(GPT)の上昇が確認されました。
リンパ球の減少は免疫力低下につながります。
健康リスク③強すぎる甘み
人工甘味料はブドウ糖を含まないので、血糖値は上昇しません。
しかし、甘みを感じているので脳が異常反応を起こし、さらなる甘みを求めてしまう。食欲が刺激され、食べ過ぎてしまうなどといった可能性もあるようです。
食べ過ぎは生活習慣病、肥満のもとなので注意が必要です。
健康リスク④胎児への影響
妊娠中に人口甘味料をを摂取すると、出生後の肥満リスクが高まることがわかっています。
母親が摂取した人口甘味料は胎児へと届いてしまいます。
特に妊娠・授乳中の方はクリニックや専門サイトでも避けた方が良いと注意喚起していました。
これはアセスルファムKに限らない、人工甘味料のお話です。
アセスルファムKと虫歯リスクの関係性
気になったので虫歯との関係性も調べてみました。
虫歯の原因となる甘味料は、果糖、ブドウ糖、ショ糖を含むものです。
私たちの口の中にはミュータンス菌が住んでいます。ミュータンス菌は食べ物の糖分を餌にし、歯を溶かす酸を作り出します。
人工甘味料は虫歯のもととなる糖質を含まないので、虫歯には影響しません。
アセスルファムKを含まない代替品の選択
人工甘味料でも自然界に存在する天然由来のものがあります。
代表的なものはキシリトール、甘草、トレハロースなどがあります。
同じ人工甘味料でも比較的安全なものは存在します。
人工甘味料はさまざまな食品に添加されていますので、食品を買うときは成分表をチェックし、なにが使われているのか見てみましょう。
人工甘味料はなるべく自然由来の安全なものを
基本的には無添加が望ましいですが、難しい場合は自然由来の人工甘味料をうまく活用しましょう。
自然由来の人工甘味料でも安全だと言われたエリスリトールやステビアなども最近の研究では注意が必要なことがわかってきています。
添加物は私たちの生活では身近な存在です。完全になくすことは難しいですが、どんな添加物なのかを理解してうまく付き合っていく必要があるようです。
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