活性酸素という言葉を聞いたことありますか?
実は、生活習慣病の原因の9割は活性酸素であることがわかってきています。
活性酸素とは何か、具体的な対策方法などを詳しく解説していきます。
活性酸素とは
活性酸素とは体内で生成される酸素の一種で、通常の酸素よりも反応性が高く、代謝や免疫機能に関与していますが、過剰に生成されると細胞や組織にダメージを与える可能性があります。
呼吸により取り込んだ酸素の約1~2%は活性酸素へと活性化します。
活性酸素の必要性
- 免疫機能の活性化
免疫細胞は細菌やウイルスなどの病原菌を攻撃するために、活性酸素を生成します。これにより感染症から身を守ることができます。 - 細胞シグナル伝達
細胞は活性酸素を使って情報伝達し、生理的な反応や、遺伝子の発現を制御を行い、体内のバランスを維持します。 - 細胞のエネルギー生産
活性酸素の産生源はミトコンドリアと考えられています。そしてエネルギーを生産する過程(酸化的リン酸化)に活性酸素は関与しています。
酸化ストレス
活性酸素が過剰に生成され、細胞に酸化的ダメージを与えてしまう状態を酸化ストレスと言います。
通常、活性酸素が増えすぎないように抗酸化防御システムが備わっており、体内のバランスは保たれていますが、高齢化、炎症、環境汚染、放射線、ストレス、紫外線、偏った食事など、さまざまな要因により、バランスが崩れることで酸化ストレスが発生します。
酸化ストレスが持続すると、細胞、組織の機能が低下し、あらゆる病気のリスクが増加します。
活性酸素の増加による病気
活性酸素が関与する主な疾患として
心血管疾患、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)、がん、糖尿病などが考えられます。
また、酸化的ダメージが蓄積すると、皮膚のたるみやしわ、関節の変形、視力の低下など老化の特徴が現れる可能性があります。
活性酸素を増やす原因
- 高脂肪、高糖質の食事、過剰なカロリー摂取
ミトコンドリアによる酸化的リン酸化反応を増加させ、その際活性酸素も増加します。 - 環境汚染
自動車の排ガスや工場からの排出物、農薬、化学物質など、大気中、水、土壌に存在する汚染物質は酸化ストレスの原因になります。 - 食品添加物
合成の抗酸化物質、人工甘味料など、一部の食品添加物、保存料が体内に蓄積すると酸化ストレスの原因になります。 - 酒・たばこ
アルコールは肝臓で解毒される際や体内に入ったたばこの有害物質を除去する際に活性酸素を発生させます。 - ストレス
ストレスを受けると体を守るため、ストレスホルモン「コルチゾール」が分泌されますが、これらのホルモンは酸化ストレスを発生させる可能性があります。 - 紫外線
紫外線により「光老化」を起こした肌は、活性酸素を大量に発生する変性した細胞が増加していきます。 - 睡眠不足
睡眠不足は抗酸化力を弱め、活性酸素による細胞へのダメージが増加し、酸化ストレスの原因となります。 - デジタル機器
電磁波の放射やブルーライト、長時間使用による眼精疲労、目の乾燥も酸化ストレスのリスクを増加させます。
酸化ストレスを発生させる要因はさまざま存在し、食文化の変化、食品添加物の増加、デジタル機器の普及など、そのリスクは年々増加しています。
活性酸素を増やし過ぎない対策
活性酸素を増やさず、酸化ストレスのリスクを避けるために気を付けるポイントをご紹介します。
食生活で気を付けるポイント
【抗酸化成分を含む食品】
栄養バランスのとれた食事、抗酸化力の高い食品を取り入れることが重要です。
抗酸化力の高い食品は、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン、野菜や果実に多いビタミンC、ひまわり油やナッツ類に多いビタミンEなどが良いです。
【ポリフェノール】
ポリフェノールにも強力な抗酸化作用があります。
紅茶、緑茶、カカオ、ベリー類などに多く含まれています。
抗酸化力があるからといって暴飲、暴食は活性酸素が過剰に発生してしまうので、注意してください。アルコールの飲みすぎも活性酸素を増やす原因になります。
また、なるべく添加物を含まない食品を選ぶことで酸化ストレスのリスクを軽減できます。
日常生活で気を付けるポイント
【睡眠時間の確保】
年々、睡眠障害に苦しむ人が増えています。
睡眠は身体の回復や再生に必要です。質の高い睡眠を心がけましょう。
【ストレス管理】
過度なストレスを防ぐため、自分なりのリラックス方法を知っておくと良いです。
食欲がない、寝れない、怒りっぽくなる、仕事のミスが増える、表情が乏しくなっているなど、休息が必要なサインを見逃さないでください。
【適度な運動】
体内の抗酸化力を高める方法として、軽い運動も効果的です。
激しい運動は活性酸素を増やしてしまうので、ウォーキングなどの軽めの運動がおススメです。
【禁煙】
たばこには有害物質が含まており、活性酸素を増やします。
【環境】
大気汚染対策として、交通量の多い場所はマスクの着用、なるべく空気のきれいな場所で散歩や運動をすると良いです。
水道水の使用は浄水器をつけることで汚染物質を防ぎます。
食品の購入はなるべく農薬の少ないもの、特別栽培農産物や有機農産物が望ましいです。
日頃から環境への配慮を心がけることで環境を守り、自分の身を守ります。
酸化ストレスは身近な存在に
現代病の9割の原因は活性酸素と謳われるように、身近な問題です。
いまは健康なのかもしれませんが、老化が進み、身体機能が低下し始めるとその影響は顕著になります。
若いうちから日々の生活を見直し、クセづけておくことが重要だと思います。
対策は全て実行しなければいけないことではありません。できる範囲から少しずつ生活に取り入れてみましょう。
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