有形固定資産の基本と簿記での扱いを徹底解説

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有形固定資産は企業が長期的に使用するために保有する重要な資産です。

本記事では、初心者向けに有形固定資産の基本的な考え方と簿記での扱いについてわかりやすく解説します。

有形固定資産とは?

有形固定資産は、企業が長期間使用する目的で保有する物理的な資産を指します。これには、土地、建物、機械設備、車両などが含まれます。基本的に、1年以上使用することを目的として購入されます。

代表的な有形固定資産の例

  • 土地:事業所用地や工場の敷地
  • 建物:オフィスビルや倉庫
  • 機械設備:製造業で使用される機械や工具
  • 車両:配送用のトラックや営業車

有形固定資産は、その価値が時間の経過とともに減少するため、減価償却が必要です。

減価償却とは?

有形固定資産の価値は、使用することによって徐々に減少します。この減少分を経費として計上するのが「減価償却」です。減価償却を行うことで、企業は資産の減価を反映させ、税金計算においても有利な処理ができます。

減価償却の基本的な方法

  • 定額法:毎年同じ金額を償却
  • 定率法:初年度に多く、年々少なく償却

どちらの方法を選ぶかは企業の方針により異なりますが、簿記ではこれらの方法に基づいて仕訳が行われます。
ちなみに土地など、減価償却できないものも存在します。

簿記における有形固定資産の扱い

簿記では、企業が購入した有形固定資産をどのように記録するかが重要です。まず、購入時にその金額を有形固定資産の科目で計上します。次に、減価償却を行い、毎月その金額を「減価償却費」として経費に計上します。

簿記での仕訳例

自働車を100万円で購入
借方貸方
車両運搬具1,000,000当座預金1,000,000
減価償却(直接法)
借方貸方
減価償却費100,000車両運搬具100,000
減価償却(間接法)※一般的
借方貸方
減価償却費100,000減価償却累計額100,000

減価償却は間接法が一般的です。

直接法では車両運搬具を資産のマイナスで計上することになるので、貸借対照表を見たときに、車両運搬具という資産が毎月下がっていき、最終的には0となります。
これでは、資産の価値が不明確になるため、初期投資額はいくらだったか、いくら償却したのかを明確にするために間接法を用いることが一般的です。

間接法は減価償却費(費用)と減価償却累計額(資産のマイナス)で計上します。

これにより貸借対照表を確認した時に、資産の元の価値と、償却額が明確にわかるようになります。

固定資産の取得

現金や預金で購入するケースは前項の例がそのまま当てはまりますので、違うケースについて紹介します。

建設を依頼するケース

建設代金の一部を手付金として、完成前に支払うことが一般的です。

手付金の支払い時(建物完成前)
借方貸方
建設仮勘定1,000,000現金1,000,000
建物が完成し、残りの残金200万を現金で支払い、引き渡しを受けた
借方貸方
建物3,000,000建物仮勘定1,000,000
現金2,000,000

建物が完成し、引き渡しを受け、初めて固定資産の取得となります。
よって建物の勘定科目で資産を計上。前払いしていた建物仮勘定と残りの残金を貸方で処理します。
もし、付随費用がある場合、現金と建物に加算します。

割賦購入

割賦購入とは分割払いで購入することです。
基本的に分割払いを行った場合、利息が発生します。

自働車を100万円で購入した。支払は分割で月々11万の10回払いです。契約時
借方貸方
車両1,000,000未払金1,100,000
前払利息100,000

資産の取得原価は100万なのでそのまま資産を計上。
そして利息を含む110万(支払総額)を未払金(負債)貸方に計上
差額10万を前払利息(資産)として計上します。

月々の支払日(現金で支払う場合)
借方貸方
未払金110,000現金110,000
支払利息10,000前払利息10,000

支払日には未払金をマイナス計上します。実際に支払う11万を計上し、貸方には現金110,000
前払利息で計上していた利息は支払利息(費用)に計上します

補助金を活用するケース

固定資産の取得や改良に充てるために国または地方公共団体の補助金や給付金などを国庫補助金と言います。

国庫補助金活用して固定資産を取得する場合

国庫補助金を受け取った場合、収益「国庫補助金受贈益」として処理します。

補助金受取時
借方貸方
現金1,000,000国庫補助金受贈益1,000,000

固定資産取得時には費用「固定資産圧縮損」を処理します。

固定資産取得時
借方貸方
建物3,000,000現金3,000,000
固定資産圧縮損1,000,000建物1,000,000

つまり、建物が自己負担の200万の価格になり
補助金の収益は圧縮損により相殺され、収益には影響しないようにしています。
補助金分の収益は税金がかからないようにするためにこのような処理を行います。
このような処理を「圧縮記帳」といいます。

固定資産の減少

固定資産の減少についてもいろんなケースが存在します。

下取りするケース

いまの固定資産を下取りにだし、新しい固定資産を取得することを「買換え」と言います。

車両(取得原価100万、減価償却累計額50万)を下取りに出して30万だった場合
借方貸方
現金300,000車両1,000,000
減価償却累計額500,000
固定資産売却損200,000

100万の車両が減価償却累計額50万だった場合、価値は差額の50万です。
下取りで30万で売却した場合、売却損20万が発生したことになります。

新車両の購入
借方貸方
車両1,500,000現金1,500,000

実際には下取りと購入を同時に行うので仕訳は次のようになります。

車両(取得原価100万、減価償却累計額50万)を30万で下取りにだし、新車両150万を現金で購入した
借方貸方
車両1,500,000車両1,000,000
減価償却累計額500,000現金1,200,000
固定資産売却損200,000

これにより新車両150万の取得原価の資産計上、旧車両の資産と減価償却累計額マイナス、売却損の計上ができます。
現金は下取りの30万があるので実質支払額は120万となります。

除却するケース

除却とは有形固有資産の使用をやめることを言います。

機械装置を除却した(取得金額100万、減価償却累計額80万)処分可能価値は10万
借方貸方
減価償却累計額800,000機械装置1,000,000
貯蔵品200,000
固定資産除去損100,000

機械装置の現在価値(取得原価 – 減価償却累計額)は20万です。
この資産は貯蔵品で処理します。
そして処分可能価値、つまり売却できる価値は10万なので、固定資産除去損として費用を10万計上します。

廃棄するケース

機械装置を廃棄した(取得金額100万、減価償却累計額80万)、その際現金10万を支払った
借方貸方
減価償却累計額800,000機械装置1,000,000
固定資産廃棄損300,000現金100,000

固定資産廃棄損は現在価値20万の機械装置と廃棄にかかった費用10万を合わせた30万で計上します。

火事で固定資産を失ったケース

建物(取得原価100万、減価償却累計額80万)を火災で焼失した。
借方貸方
減価償却累計額800,000建物1,000,000
火災損失200,000

もし、保険をかけていた場合
火災発生日→保険金額の確定日→支払日という流れで進んでいきます。

建物(取得原価100万、減価償却累計額80万)を火災で焼失した。(火災発生)
借方貸方
減価償却累計額800,000建物1,000,000
未決算200,000

現在価値の額20万を未決算という勘定科目で仕訳します。
未決算とは金額が未確定という意味する勘定科目です。

建物(取得原価100万、減価償却累計額80万)を火災で焼失した。(保険金確定)
借方貸方
未収入金100,000未決算200,000
火災損失100,000

保険金額が10万しかでなかった場合、未決算を未収入金に振替えておき、差額の損失分は火災損失で処理します。

保険金額が30万だった場合
借方貸方
未収入金300,000未決算200,000
保険差益100,000

仮に保険金額が未決算を上回っていた場合、収益プラスとして保険差益という勘定科目で処理してください。

保険金の入金があった場合(支払日)
借方貸方
当座預金300,000未収入金300,000

入金で未収入金を処理します。

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この記事を書いた人
nao

【20代でがんを経験、生活を見直し健やかな暮らしを目指しています】
当たり前に過ごしてた生活が実は体に良くないことばかり|食を中心に健康について勉強中|病気になる前に予防できることを知ってほしい

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