美味しさと健康を兼ね備えた赤く輝く宝石、それがトマトです。
トマトは私たちの食卓に欠かせない存在であり、その鮮やかな色と豊かな味わいは多くの人々を魅了しています。
しかしこの魅力だけでなく、トマトには私たちの健康にも素晴らしい効果があります。
その秘密を探求し、驚くべき健康効果と栄養成分について詳しくご紹介しましょう。心と体を輝かせるトマトの力に迫ります。
トマトの主な栄養成分
トマト100gあたりの主な栄養成分
赤色トマト | 赤色ミニトマト | |
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エネルギー | 20kcal | 30kcal |
たんぱく質 | 0.7g | 1.1g |
脂質 | 0.1g | 0.1g |
糖質 | 3.1g | 4.6g |
食物繊維 | 1.0g | 1.4g |
ビタミンA | 45μg | 80μg |
ビタミンE | 1.1mg | 1.4mg |
ビタミンC | 15mg | 32mg |
カリウム | 210mg | 290mg |
動植物に含まれる赤や黄色の色素成分:カロテノイド
代表成分として、β-カロテン、リコピンなどがあります。
トマトにはβ-カロテンが100gあたり540μg含まれており、体内でビタミンAに変わります。
リコピンは100gあたり約3mg、ミニトマトが約8mgほど含まれています。
リコピンはビタミンAに変換されることはなく、そのまま吸収されます。
トマトの健康効果
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、昔からトマトの栄養価は高く、親しまれていたことがわかります。
リコピン
【抗酸化作用】
トマトにはビタミンC、リコピンなどの抗酸化成分が豊富に含まれており、活性酸素の除去、酸化ストレスを軽減する効果があります。
特にリコピンの抗酸化特性は、フリーラジカルの生成を抑え、細胞を酸化ストレスから守る助けとなります。
フリーラジカルのレベルが抗酸化物質のレベルを超えると、酸化ストレスを発生させ、がん、糖尿病、心臓病、アルツハイマー病などのリスクを高めます。
【がん予防】
リコピンには、乳がん、肺がん、子宮がん、大腸がん、肝臓がん、前立腺がんを予防するという研究結果があります。リコピンはがん細胞の増殖を抑える作用があることがわかっています。
【心血管の健康促進】
リコピンは血管を保護し、血圧を下げ、血液中の悪玉コレステロールを減少させる効果があります。これにより、心臓病や脳卒中などの心血管疾患のリスクを低減させます。
【肥満予防】
トマトには脂肪燃焼作用をもつ「13-oxo-ODA」が多く含まれています。
【紫外線対策】
カロテノイドはその強い抗酸化力から、食べる紫外線対策として注目されています。特にリコピンには、紫外線による酸化ストレス、炎症、肌コラーゲンの減少に効果があります。
また細胞修復効果があるため、紫外線によって損傷を受けた肌細胞を修復します。
β-カロテン
β-カロテンにもリコピン同様、抗酸化作用があり、動脈硬化などの生活習慣病予防に効果的です。
β-カロテンはビタミンAとして、体内に吸収されます。
ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きをしてくれます。
またβ-カロテンは免疫機能を強化する働きがあり、感染症や炎症への抵抗力を高めます。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲン生成に関与する栄養素です。コラーゲンは皮膚や、血管、骨などの組織の主要な構成要素で、健康な組織の形成、修復に重要な役割をもっています。
またビタミンCは非ヘム鉄の吸収を増加する働きがあり、貧血予防に効果的。
非ヘム鉄とは、ほうれん草などの青菜、海藻、豆類などの植物性食品や卵に含まれています。
カリウム
カリウムはナトリウムとのバランスを調整し、血圧を下げる効果があり、高血圧予防になります。
その他、筋肉機能の調節や骨の健康にも関わっています。
エスクレオサイドA
エスクレオサイドAは血管の脂質の蓄積を防ぎ、健康的な血管を維持するのに役立ちます。
全身にコレステロールを配っているLDL(悪玉コレステロール)が増えすぎてしまうと、血液中から血管の内側に入り、次第にサビてしまいます。(酸化LDL)
免疫細胞のマクロファージは酸化LDLを侵入者と勘違いして食べてしまいます。
食べ続けたマクロファージは死んでしまい、血管の内側へと溜まり、血管の老化が起こり、脳梗塞、心筋梗塞などの原因となります。
エスクレオサイドAはマクロファージがコレステロールを溜め込むのを防いでくれるので、死なずに血管の内側に溜まることもないのです。
こんな方におススメ
【40歳以上の方】
体内の抗酸化防御機能は20代がピークで、40代から急激に低下していきます。
つまり、体内の活性酸素が過剰になりやすいのです。抗酸化食品を日常的に摂取しておくと、生活習慣病予防にもつながります。
【喫煙者】
タバコには活性酸素を産生する有害物質が多く含まれています。喫煙により、体内の活性酸素は大量発生します。
【肥満の方】
脂肪燃焼作用があるため、肥満が気になるにはおススメ。成長ホルモンを活性化させる働きもあえい、代謝アップにも期待できます。
【がん予防したい人】
トマトを多くとる地域ではがんの発症が少ないという研究結果が出ています。抗酸化食品の摂取はがんだけでなく、生活習慣病のリスクを減らせるので、健康習慣としておススメです。
【美容意識の高い方】
リコピンは活性酸素を除去してくれるので、アンチエイジングや肌のシミ、シワ予防にも効果的です。
【健康意識の高い方】
日常的に健康習慣を身につけたいと考えてる方、普段の食生活に不安を感じている方、生活習慣病は身近な問題です。若いうちから習慣化しておくことをおススメします。
1日の摂取量目安と注意点
摂取量の目安はトマト2個、ミニトマト10~15個が望ましいです。
トマトジュースの場合は200cc
加熱調理することでリコピンの吸収率があがります。
摂りすぎてしまうと、肌が赤または黄色っぽくなります。カリウムが豊富なので、高カリウム血症を引き起こし、しびれ感、不整脈、知覚過敏、脱力感、嘔吐などが発症します。
おススメの食べ合わせ
【オリーブオイル】
β-カロテン、リコピンは油に溶けるのでオリーブオイルと一緒に摂取すると効率よく栄養素をとることができます。
【モッツァレラチーズ】
モッツァレラチーズにはビタミンA、ビタミンB2、たんぱく質も豊富に含まれているため、一緒にとることで栄養バランスが良くなります。
【バジル】
トマトとの相性が良く、風味を引き立ててくれます。バジルにもβ-カロテン、ビタミンEが豊富なので、抗酸化力アップになります。
【ツナ】
ツナには良質な脂質が含まれており、オメガ-3脂肪酸の摂取、リコピンの吸収促進の効果があります。また良質なたんぱく質も補給できます。
トマトのレシピ
美味しいトマトの選び方
- スターマークが入っているもの
おしりに星のような形の筋が見えているものが甘くておいしいと言われています。 - ハリがあり、ずっしりしているもの
少し硬い、ハリがあるものは鮮度が高いです。果肉がつまっててジューシーなものはずっしりしています。 - 形がまるいもの
かくばっているトマトは中が空洞になっている場合があります。 - ヘタは緑色が濃く、ピンとしているもの
鮮度が高い証拠です。ヘタが枯れかけているものは時間がたっています。
トマトの保存方法
- まだ青いトマトは2、3日常温保存
青いトマトを買った場合は、赤く熟れてくるまで常温保存してください。 - トマトの保存は野菜室・冷暗所
トマトは冷えすぎないようにポリ袋や保存袋に入れて、ヘタを下にして野菜室で保存します。この時、トマト通しが重なり合わないようにするのがポイントです。
トマト同士がくっついていると、その部分から痛みはじめます。
14℃以下の冷暗所でも保存可能ですが、5~10℃に管理されている野菜室がベストです。 - カットしたトマトはラップに包む
そのままにしておくと乾燥してしまうので、ラップに包んで野菜室に入れましょう。 - 冷凍保存もOK
そのまま冷凍保存しても大丈夫です。ヘタはとっておきましょう。だいたい1ヵ月ほど持ちます。
トマトで健康生活をはじめよう
トマトの健康効果は驚くべきものだということがわかりました。
スーパーや八百屋で1年中買えるトマトですが、旬は5月下旬~8月です。
ぜひ、旬の美味しいトマトを楽しんでください。
また、トマトと一口に言ってもいろんな品種があります。食感や甘さがそれぞれ異なります。
自分好みの品種を探してみるのも楽しいですよね。
苦手な方も、カレー、ドライトマト、ミートソースなど、料理の工夫がしやすいのでチャレンジしやすい食品かなと思います。
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