たん白加水分解物ってなに?危険性は?

food
food
この記事は約4分で読めます。

本記事では「たん白加水分解物」についてまとめています。
たん白加水分解物とはなにか、どのような目的があるのか、危険性は?

よく食品の成分表で目にするたん白加水分解物が気になったので調べてみました。

たん白加水分解物ってなに?

大豆、とうもろこし、小麦の植物性たんぱく質、肉や魚などに含まれる動物性たんぱく質を原料に、塩酸や酵素で加水分解してできたアミノ酸混合物のことです。

たんぱく質はアミノ酸が結合してできた分子であり、加水分解することで小さなペプチドやアミノ酸に分解されます。

塩酸を用いる方法が一般的で、分解後はアルカリで中和しています。

加工食品の調味目的で使用されますが、分類上、添加物ではなく、食品だそうです。

たん白加水分解物のメリット

うま味やコクをつけることができます。
また長期保存、加熱耐性が高いので使いやすいといったメリットがあります。

醤油、たれ、漬物、ソース、佃煮、総菜など、幅広い分野で活用されており、食品のみならず、シャンプーや石鹸などの医薬部外品や化粧品などでも使用されております。

また消化吸収が容易で、早く効果が現れるため、栄養補助食品、健康食品などにも含まれています。

たん白加水分解物の危険性

たん白加水分解物が体に及ぼす影響はどのようなものがあるか調べてみました。
考えられる影響は大きく3つです。

クロロプロパノール類の毒性

クロロプロパノール類とはたんぱく質を塩酸で分解した際に生まれる不純物で、3-MCPDと1,3-DCPの2種類あります。

3-MCPDの毒性はラットの短期毒性試験において、生殖障害が確認されています。
また長期毒性試験においては良性腫瘍の増加が観察されています。

1,3-DCPの毒性については、肝毒性及び腎毒性が観察されており、高用量では肝臓、腎臓に発がん性が確認されています。

FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議では1日耐容摂取量を2μg/kg体重/日とされています。

食品安全委員会が平成19年度に行った調査によると、日本人のクロロプロパノールの摂取量の平均は
0.002~0.006μg/kg体重/日と推定され、日本人における健康への影響は低いと考えられています。

味覚障害

たん白加水分解物は「味覚破壊トリオ」の一つとしても紹介されています。

※味覚障害トリオ…調味料、酵母エキス、たん白加水分解物

問題はその強烈なうまみにあります。
あまりにもうまみが強くなるため、濃い味付けに慣れてしまい、特に塩分に関して鈍感になります。
その結果、塩分過多に陥り、高血圧や、腎臓疾患、不整脈などの心臓疾患にかかるリスクを増大させます。

最近では味覚を正しく感じれない子供が増えていると聞きます。
何気なく使っている調味料や食品に含まれる添加物等により、味覚障害になっている可能性も考えられます。

アレルギー反応

たん白分解物質の原料は小麦や大豆などの植物性、魚や肉などの動物性に由来しており、特に魚や貝類などの海産物に由来するたん白分解物質はアレルギーを引き起こす原因となります。

またシャンプーや石鹸などにも使用されており、同様にアレルギーを引き起こすケースも確認されています。

無添加食品でも含まれている

食品に無添加と記載していた場合でも、たん白分解物質は添加物でないため、含まれている場合があります。

気になる方は無添加、化学調味料不使用と記載がある食品でも、しっかり成分表を確認しましょう。

たん白加水分解物質が含まれる食品は控えめに

たん白加水分解物質は一般的には安全とされています。

しかし、それは適正な摂取量によるものということです。
過剰摂取は上記、「たん白加水分解物質の危険性」にも示した通り、人体への影響が考えられます。

たん白加水分解物質は多くの食品、製品に含まれています。

代表的な例として
ソース、ドレッシング、マヨネーズなどの調味料類
ハム、ウインナー、缶詰、レトルト食品、冷凍食品などの加工食品
プロテイン、アミノ酸サプリ、栄養ドリンクなどの栄養補助剤
医薬品、医療用品、特定保健用食品などの健康食品
化粧品、シャンプー、トリートメントなどの美容製品

一つ一つが安全なのかもしれませんが、全体で考えるとどうでしょう。
たん白加水分解物質を生活から無くすことは難しいかもしれませんが、なるべく控える意識はもっておいたほうが良いかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました