日焼け止めは紫外線予防に欠かせないアイテムですが
最近「日焼け止めはビタミンDが不足する」という話を耳にします。
日焼け止めが原因でビタミンDは不足してしまうのでしょうか?
本記事では、日焼け止めの使用によるビタミンD不足について正しい知識をお伝えし、健康に配慮した紫外線対策の方法について解説します。
日焼け止めを塗ると、ビタミンDは不足する?
結論、ビタミンDが不足することはありません。
基本的には15~30分程度の日光浴で十分ですが、強い日焼け止めを使用する場合
少し長めに日光浴をすることでビタミンD不足になることはありません。
週2~3日の軽い日光浴はあなたの健康を維持してくれるでしょう。
※季節や地域、個人差があります。
紫外線とは
紫外線(UV)とは、太陽光の一部で、可視光線よりも短い波長です。
地球に届く紫外線は、大気中のオゾン層により、一部吸収され、残りが地表に届きます。
紫外線は、人間の皮膚にダメージを与えることで知られており、日焼けやシミ、シワ、皮膚がんなどの原因となります。
また体内で、ビタミンDを生成する重要な役割を果たしています。
紫外線はA,B,Cの3つに分かれており、それぞれ異なる特徴を持ちます。
UV-A
UV-Aは地表に届く紫外線の90%を占めています。
UV-Aは肌の奥深くまで届き、じわじわとダメージを蓄積します。
急な変化は感じられませんが、肌の弾力が無くなる、シワやたるみの原因となります。
また透過性、反射性が高く、窓ガラスを通りぬけたり、壁や床を反射するため、室内や曇りの日でも対策が必要です。
UV-B
UV-Bは、地表に届く紫外線の10%ほどです。
UV-Aに比べ、オゾン層や雲に阻まれやすいのです。
UV-Bを浴びると、短時間で赤み、黒ずみができ、皮膚がんのリスクも高まると言われています。
ビタミンDの生成に関わるのはUV-Bです。
UV-C
UV-Cはオゾン層に全て吸収されます。そのため地表に到達しません。
しかし、もし肌に当たると、やけどのような症状がでる、目の障害など
UV-A、Bよりも人体への悪影響が大きいです。
近年オゾン層破壊が問題になっていますが
オゾン層の破壊が進むと、紫外線が地表に届く量も増えてしまいます。
日光浴によるビタミンD生成について
日光浴で健康維持に役立つビタミンDを生成できます。
どのような仕組みなのでしょうか。
日光浴によるビタミンD生成のメカニズム
ビタミンDはUV-Bが皮膚表面に当たることで生成されます。
UV-Bは皮膚の角質層にあるプロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)という物質を紫外線により活性化させ、プレビタミンD3に変換します。
さらにプレビタミンD3は異性化してビタミンD3に変換されます。
ビタミンD3は肝臓で25-ヒドロキシビタミンD3に変換され、さらに腎臓で、活性化ビタミンD3(1,25-ジヒドロキシビタミンD3)に変換されます。
日焼け止めはビタミンD生成を阻害するのか
日焼け止めを塗っても完全にUV-Bを防げるわけではありません。
SPFが高い日焼け止めを使用すると、UV-Bの吸収は抑制されますが、一部は肌に到達します。
しかし、SPFが高すぎる日焼け止めは肌に残る時間が長くなるため、ビタミンD生成を妨げる可能性が高くなります。
SPFが高い日焼け止めを使用する場合、日光浴の時間を長くするか、日焼け止めを塗る前にビタミンD生成するための短時間の日光浴が推奨されています。
日光浴の効果的な時間
日光浴の目安は15~30分です。
朝9~10時、夕方など、紫外線の強くない時間帯が望ましいです。
特に朝、日光を浴びると寝つきや寝起きも良くなります。
また、季節や地域によって紫外線の強さは違います。
例えば夏季の沖縄では5分、冬季の北海道では2時間ぐらい必要になってきます。
あなたの住んでいるところがどのくらいが目安なのか調べておいたほうが良いでしょう。
日光浴の注意点
長時間の日光浴はシワ、たるみ、日焼け、皮膚がんなどのリスクを伴います。
紫外線の強い日は日焼け止めを塗っておいたほうが良いです。
日光浴をする場合は朝夕など紫外線の強くない時間帯や木陰で短時間行うことをおススメします。
日焼け止めの選び方
日焼け止めの選び方について簡単に説明しておきます。
SPF値
SPEとは、UV-Bから保護する効果を示す指標です。
日常的な外出ではSPF15程度の日焼け止めで十分かと思います。
買い物など軽いお出かけならSPF20でも十分です。日差しの強い日にはSPF30以上。
長時間のレジャーやマリンスポーツなど塗り直しが難しい場合、SPF50がおススメです。
SPF値が高いものを日常的に使うのは肌トラブルの原因となります。
PA指数
PAとは、UV-Aから保護する効果を示す指標です。
PA+~PA++++まであり、++++が最高値です。日常使いには++で十分だと思います。
炎天下の軽いスポーツでは+++、長時間のレジャーやマリンスポーツでは++++が良いです。
吸収剤と錯乱剤
日焼け止めには吸収剤と錯乱剤の2種類があります。
【吸収剤】
紫外線を吸収する役割をもつ。
透明で肌になじみやすいので日常使いがしやすいが、肌の角質層を通過して深く浸透するため、肌に吸収されてしまう可能性がある。肌トラブルの原因となりやすい。
【錯乱剤】
紫外線を反射する役割をもつ。
肌にのせると白くなるが、塗り残しがわかりやすい。錯乱剤は肌表面に残りやすいので、汗や水で落ちやすく、何度も塗り直しが必要になる。
おすすめの日焼け止め
ノンケミカル(紫外線吸収剤フリー)で肌に優しい!
新生児から使えるオーガニックUVプロテクト。
海洋生態系の保護にも考慮された日焼け止めです。
天然由来成分100%!しっとりみずみずしい潤い。
シトラス系のいい香りです。
刺激もなく、肌になじむ人気の日焼け止めです。
ビタミンDとは
ビタミンDは太陽のビタミンです。
ビタミンDは、植物性食品に含まれるビタミンD2、動物性食品に含まれるビタミンD3があります。
食品から摂取したビタミンDは、紫外線を浴びなくても体内で利用できますが、紫外線によって生成されたビタミンDの方が、より効率的に利用されるとされています。
ビタミンDの働き
- カルシウム吸収促進
- 骨の形成・維持
- 免疫力向上
- 筋肉機能の維持
- 心血管疾病の予防
など、健康を維持するための大きな役割をもちます。
ビタミンDが不足すると、骨粗しょう症のリスク、筋肉の痛みや痙攣、免疫力の低下など引き起こします。
また近年、精神疾患の関連性も多く報告されており、うつ病や認知症のリスクを高めることがわかってきています。
さらに、ビタミンDの代謝を悪くする要因として、肥満があります。
脂肪組織に蓄積されたビタミンDが血中に放出されにくくなるため、適度な運動やダイエットもビタミンD不足の改善となります。
1日に必要なビタミンDの摂取目安
National Institutes of Healthによると、15μg必要です。(71歳以上は20μg)
15~30分の軽い日光浴で5~10μgのビタミンDは生成されます。
残りの5μgは食事から摂取すると良いです。
ビタミンDを多く含む食材とは
- 魚介類(サケ、マグロ、イワシ、サンマなど)
- きのこ類(マイタケ、エリンギ、シイタケなど)
- 卵
- 牛乳
- ヨーグルト
基本的には魚類やきのこ類に多く含まれています。
他にはサプリメントやプロテインバーなどがあります。
バランスの良い食事が望ましいですが、難しい日には、簡易的に摂れる方法もいいですね。
日焼け止めは忘れずに
日差しの強くなる5月からは日焼け止めはマストです。
強い紫外線は肌へのダメージが大きいので、日焼け止めをしない方が問題です。
適度な日光浴を行い、心身的に気持ちのよい生活を心がけましょう。
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