大麦の健康効果とは?毎日の健康をサポートする穀物パワー

この記事は約7分で読めます。

大麦は、古代から栄養価が高く、健康的な穀物として知られています。

現在も健康食品に大麦を使っている商品も多く存在しますが、一体どのような効果があるのでしょうか。

本記事では、大麦の健康効果や気になる疑問を解消していきます。

大麦の栄養成分

大麦100gあたりの主な栄養成分

大麦/乾大麦/めし
エネルギー329kcal118kcal
たんぱく質6.7g2.2g
脂質1.5g0.5g
糖質72.4g24.2g
食物繊維12.2g4.2g
ビタミンB10.11mg0.02mg
ビタミンB60.13mg0.03mg
ビタミンE0.1mgTr
カリウム210mg38mg
マグネシウム40mg10mg
リン160mg46mg
1.1mg0.4mg
亜鉛1.1mg0.4mg
出典:食品成分データベース

「大麦/乾」は調理前の状態です。水分を含まないので加熱後の「大麦/めし」に比べ、100gあたりの栄養素は高く見えます。

精白米と比べた場合、大麦の方が、糖質はわずかに少なく、食物繊維が豊富です。

水溶性食物繊維:β-グルカン

食物繊維には水溶性、不溶性の2種類あります。
大麦はどちらも半量ずつ含まれており、理想的な食品です。

中でも水溶性食物繊維であるβ-グルカンは血糖値の上昇や腸内環境の改善に効果的と注目されています。

大麦の健康効果

大麦の注目成分は豊富な食物繊維にあります。

β-グルカン

【血糖値の上昇をゆるやかに】
β-グルカンは消化酵素によって分解されず、腸内でゲル状の物質になります。これにより、食べたものの消化吸収が遅くなり、血糖値の上昇がゆるやかになります。

【インスリン抵抗性の改善】
インスリンは血糖値を一定に保つ働きがあるホルモンです。食べ過ぎ、運動不足により、インスリンの働きが鈍くなってしまいます。
β-グルカンはインスリンの働きを改善させる効果があります。

【腸内環境の改善】
β-グルカンは善玉菌のエサになります。善玉菌は増殖し、腸内の有害菌の増殖を抑制、腸内の細菌バランスの改善にも役立ちます。

【免疫機能の向上】
腸内環境の改善は、免疫機能の活性化にもつながり、感染症、アレルギー反応のリスク軽減になります。

腸内環境の改善の効果についてはこちらの記事にもまとめております。ぜひご参考ください。

【大腸がん予防】
1日10gの食物繊維が大腸がん予防になると研究でわかっています。大腸がんは30歳から徐々に増えています。食物繊維の平均摂取量は14gみたいですが、偏食しがちな方は積極的に摂取してください。

こんな方におススメ

【糖尿病患者】
大麦は消化吸収が遅く、血糖値の上昇がゆるやかです。ビタミン、ミネラルが豊富でバランスのとれた食事になります。また食物繊維が豊富なので、腹持ちが良く、食欲の抑制にもなります。

【ダイエットしたい方】
血糖値の上昇をゆるやかに、満腹感が持続することからダイエットにも効果的と言えます。
β-グルカンは脂肪吸収も抑えてくれます。

【肌荒れしやすい方】
腸内環境が良くなると、肌荒れやニキビの改善にも効果があります。
化粧品などの外部からのケアだけではなく、食べ物から美肌を目指す「インナーケア」が大切です。

【食物繊維が不足している方】
日本人の食物繊維不足は増加傾向にあります。
原因は穀類、イモ類、豆類の摂取量が減ってきていることにあります。
食物繊維不足は便秘や消化不良を起こし、腸内環境が乱れ、免疫力の低下、生活習慣病のリスクにつながります。

おススメの大麦

もち麦よりも豊富な食物繊維。もちぷち食感でほんのり甘い。
大麦でも食べやすい商品です。

大麦を使ったレシピ

ご飯がすすむとろろ飯
たまご多めのとろろご飯です。 お好みで海苔やワサビを添えて味の変化を楽しみます。
サムゲタン風 雑穀スープ
鶏肉のだしでいただく、サムゲタン風スープです。雑穀と一緒に煮込むだけなのでとっても簡単です。
さつま芋とたまごの味噌マスタードパワーサラダ
雑穀パワーサラダとは、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養が1つでカバーできるサラダボウルのこと。 野菜だけでなく、雑穀をはじめ 様々な食材を入れることで いろいろな栄養をまんべんなく摂ることができ、健康や美容にもよく、腹持ちも良いのでダイエットにも効果が期待できます。

大麦の種類や特徴について

大麦と検索すると、もち麦や丸麦などと、さまざまな種類の商品がヒットします。

気になったのでそれぞれの特徴を調べてみました。

二条大麦と六条大麦

大麦には二条大麦と六条大麦があります。

二条大麦は1本の穂に2列しか実がつきませんが、大きく育ち、主にビールの原料として使用されます。

六条大麦は1本の穂に6列すべてに実がつきますが、1粒が小さい為、穀物として使用されます。

もち性とうるち性

お米にもち性とうるち性があるように、大麦にも存在し、粘性の違いがあります。

もち性の大麦、通称「もち麦」のでんぷんはアミロペクチン。弾力と粘性が高く、もちもちとした食感が特徴です。

うるち性の大麦にはアミロペクチン、アミロースの2つ成分で構成されています。もち麦に比べ、弾力、粘性が低く、パサついているのが特徴です。

加工方法の違い

【押し麦】
一度蒸した麦に圧力をかけ、平らにしたものです。
大麦はそのままだと水を吸収しにくく、消化にも悪い為、押し麦にすることによって、栄養を損なわず、吸収しやすく、食感も良くしています。
基本的にはうるち性の大麦を使用します。

【丸麦】
外皮を取り除き、ぬか部分を削った状態の麦です。もち性の大麦を丸麦加工したものがもち麦です。

【米粒麦】
お米の見た目に加工した大麦です。大麦の真ん中を二つに切ってあるので、黒い筋も気にならなくなっています。

【白麦】
白麦は真ん中にある黒い筋を二つに切り、蒸した後にローラーで平たく加工したものです。これをビタミンB1でコーティングすれば「ビタバァレー」となります。

大麦の風味や食感を楽しみたい方は押し麦か丸麦
白米と一緒に違和感なく食べたい方は米粒麦か白麦がおススメです。

栄養価の比較

押し麦もち麦米粒麦白麦
エネルギー329kcal340kcal333kcal343kcal
たんぱく質6.7g9.6g7.0g7.0g
脂質1.5g1.6g2.1g2.1g
糖質72.4g65.2g68.8g67.5g
食物繊維12.2g13.0g8.7g8.7g
出典:食品データベース/はくばく/TSUNO

もち麦と白麦ははくばく社、TSUNO社の商品情報を参考にさせていただきました。

食物繊維は大麦の外皮や胚芽に多く含まれています。外皮、胚芽が取り除かれる米粒麦や白麦は押し麦や丸麦に比べ少なくなります。

もち性とうるち性とを比べるともち性の方がβ-グルカンが豊富です。

大麦と小麦の違い

どちらもイネ科の穀物ですが、含まれるたんぱく質成分が異なります。

大麦にはホルディンが含まれています。
アルコール溶解性のたんぱく質なのでビール、小麦よりも吸水性が高いことから麦ごはん、味噌などの原料として使われます。

小麦はグルテンが含まれています。
水に溶かすと粘りが生まれ、パン類や麺類などによく使われます。

栄養価の違いとしては
小麦はエネルギー、糖質がやや高く、大麦は食物繊維がとても高いです。

大麦はグルテンフリー?

大麦のたんぱく質はホルディンだとお伝えしましたが、実は5~8%ほど、グルテンが含まれています。

グルテンは小麦、大麦、ライ麦に含まれています。

アレルギーを持っている人は摂取しないほうが良いです。

代替品としては、そば、アマランス、ソルガムなどグルテンを含まない穀物があります。

大麦を食生活に取り入れよう

大麦は不足しがちな食物繊維をバランスよく補うことに適しています。

食物繊維を摂取することは腸内環境を改善し、生活習慣病、肥満、大腸がん、肌荒れなどのリスクを減らせます。

ごはんと一緒に混ぜたり、サラダやスープと一緒に食べたりと、普段の食生活でも簡易に取り入れやすいのでおススメです。

肌が荒れやすい、便秘、コレステロール値、血糖値が高い人は食物繊維が不足しているかもしれません。

大麦を食生活に取り入れて、腸内環境を整えましょう。

この記事を書いた人
nao

【20代でがんを経験、生活を見直し健やかな暮らしを目指しています】
当たり前に過ごしてた生活が実は体に良くないことばかり|食を中心に健康について勉強中|病気になる前に予防できることを知ってほしい

naoをフォローする
食事食品の効果・効能
暮らし、健やかに

コメント

タイトルとURLをコピーしました