食品の成分表を見る際、時折「pH調整剤」という表記を目にすることがあります。
これについて疑問を持つ方も多いかと思います。
この記事では、pH調整剤に関する安全性やデメリットについて詳しく解説します。
また、体への影響や腸内細菌との関係についても掘り下げてみましょう。
pH調整剤とは
pH調整剤(ペーハーちょうせいざい、ピーエイチちょうせいざい)、水素イオン濃度調整剤(すいそイオンのうどちょうせいざい)とは、食品添加物のひとつ。食品における腐敗防止や変色防止の目的で加工食品などに含有されている食品添加物の総称。酸性またはアルカリ性の度合を調整するために用いられる。
引用:wikipedia
簡単に言うと、防腐剤です。
食品のpH(酸性度またはアルカリ性度)を適切なレベルに維持することで、微生物の活動を抑制し、食品の劣化を遅らせる効果があります。
コンビニのお弁当、おにぎり、パン、サンドウィッチなど多くの食品に使用されています。
保存料からpH調整剤へ
近年、健康意識の高まりから、企業は保存料の使用を控えてきているらしいです。
食品の腐敗を防止するという目的は同じですが、よく目にするのは「保存料」です。
安息香酸Na、ソルビン酸K、しらこたん白抽出物などがありますが、身体に良くないのでは?という消費者の不安から、売上減少のリスクを回避するため、pH調整剤が増えてきているようです。
特に安息香酸Naは強い毒性があり、ビタミンCと一緒に添加することで、発がん性物質「ベンゼン」に変化することがわかってきています。
安息香酸NaとビタミンC(アスコルビン酸)がどちらも添加されている食品の例として、清涼飲料水やダイエット飲料水があります。
安息香酸NaはWHOによる許容摂取量を超えなければ安全とされていましたが、ベンゼンの含有量は一部、許容レベルを超えていました。
その他、安息香酸Naにはまだまだ懸念材料が多く、安全と断定するには長期的な研究が必要です。
厚生労働省医薬食品局食品安全部:清涼飲料水中のベンゼンについて
pH調整剤の種類
- アジピン酸
- クエン酸
- クエン酸三ナトリウム
- グルコノデルタラクトン
- グルコン酸
- グルコン酸カリウム
- グルコン酸ナトリウム
- コハク酸
- コハク酸一ナトリウム
- コハク酸二ナトリウム
- 酢酸ナトリウム
- DL-酒石酸
- L-酒石酸
- DL-酒石酸水素カリウム
- L-酒石酸水素カリウム
- DL-酒石酸ナトリウム
- L-酒石酸ナトリウム
- 炭酸カリウム(無水)
- 炭酸水素ナトリウム
- 炭酸ナトリウム
- 二酸化炭素
- 乳酸
- 乳酸カリウム
- 乳酸ナトリウム
- 氷酢酸
- ピロリン酸二水素二ナトリウム
- フマル酸
- フマル酸一ナトリウム
- DL-リンゴ酸
- DL-リンゴ酸ナトリウム
- リン酸
- リン酸水素二カリウム
- リン酸二水素カリウム
- リン酸水素二ナトリウム
- リン酸二水素ナトリウム
2021年6月、「水素イオン濃度調整剤又はpH調整剤」として表示してよいとしている食品添加物は
上記35種と酸味料として表示許可されています。(引用:wikipedia)
pH調整剤の安全性や使用基準
pH調整剤は身体に悪影響を与えることはないとされています。
使用基準は日本では定められていません。
日本食品化学研究振興財団の「各添加物の使用基準及び保存基準」を確認しましたが
平成29年6月23日では上記35種の添加物を確認することができ、使用基準は特に設けられていませんでした。
それ以降はリストから消えているため、確認できておりません。
FAO/WHOではアジピン酸、L-酒石酸、リン酸(MTDI)など、一部の添加物にADI(一日摂取許容量)が定められていましたが、ほとんどは日本同様、制限無しの添加物が多いようです。
pH調整剤の健康リスク
毒性の高い添加物は確認がとれませんでしたが、大量摂取は下痢、腹痛、胃腸の不快感などの副作用が考えられます。
またリン酸の過剰摂取は、カルシウムや鉄の吸収を阻害し、骨がもろくなる恐れもやナトリウム結合した酸が多く、塩分量が高くなってしまう可能性もあります。
ただ、pH調整剤は使いすぎると食品の味が変化してしまったり、そもそもの防腐効果(微生物抑制効果)を損なう可能性もあるので、pH調整剤を添加した食品を大量に摂取しなければ、そこまで心配しなくても良さそうです。
腸内細菌との関係性
pH調整剤は腸内細菌のバランスを乱すのではと懸念する方もいると思います。
確かな情報は確認できませんでしたが、添加物が腸内環境を良くすることはありません。
食品添加物は腸壁に付着し、炎症を起こす、腸内細菌の働きを妨げるなど、腸内細菌のバランスは乱れていきます。
pH調整剤が使用されている食品は、その他調味料や酸化防止剤なども含まれているケースがほとんどです。
添加物が含まれている食品はなるべく避けよう
pH調整剤は何が含まれているかわからないので不安になってしまいますが、基本的には安全です。
しかし、その他添加物と併用して使用されている為、健康リスクを高めてしまいます。
コンビニやスーパーなど、いつでも安全な食品が手に入るのはpH調整剤のような添加物による恩恵が大きいのですが
あまり頼りすぎないようにすることが、大切だと考えます。
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