黒にんにくと白にんにくは、どちらも栄養価が高く、健康に良い食品として知られています。
しかし、黒にんにくは発酵させたもので、白にんにくよりもさらに多くの栄養素を含んでいると知られています。
この記事では黒にんにくの健康効果と摂取方法、白にんにくとの違いについて解説します。
黒にんにくとは
にんにくを、適した温度、湿度で1ヵ月ほど熟成させたものを黒にんにくと言います。
熟成中ににんにくの糖分がアミノ酸やポリフェノールに変化(メイラード反応)し、黒色になります。
通常のにんにくに比べ、アミノ酸やポリフェノールの含有量が多いため、健康効果が期待できるとされています。
また、生のにんにくより臭いが軽減され、料理に使いやすいといった特徴があります。
黒にんにくの栄養成分と健康効果
黒にんにくの主な栄養成分と期待できる健康効果をまとめました。
主な栄養成分
【S-アリルシステイン】
S-アリルシステインは黒にんにくに含まれるアミノ酸です。強い抗酸化作用を有しています。
白にんにくにはごく微量にしか含まれていませんが、熟成する過程で増える希少成分です。
【アミノ酸】
主にアルギニン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられます。
【ポリフェノール】
白にんにくの約8倍のポリフェノールが含まれているとされています
期待できる健康効果
【低血圧改善】
ACE阻害作用があることが報告されており、これにより血管が拡張され、血圧が下がることが示唆されています。
【抗酸化作用】
黒にんにくのポリフェノールは強い抗酸化作用があります。これにより体内の活性酸素を除去し、細胞や組織を保護します。特にポリフェノールの一種であるフラバノンは、強力な抗酸化作用があり、動脈硬化、心臓病、生活習慣病、がん予防にも効果があるとされています。
【抗炎症作用】
黒にんにくに含まれるポリフェノールは、炎症を引き起こすサイトカインの生成を抑制します。
また黒にんにくに含まれるS-アリルシステインは炎症を起こす酵素を抑制します。
【免疫力向上】
黒にんにくに含まれるポリフェノール、S-アリルシステインは免疫力を高めます。
【糖尿病改善】
フラボノイドやポリフェノールには血糖値を下げる効果があることが報告されています。またS-アリルシステインは、インスリン抵抗性を改善する働きがあり、糖尿病予防の改善に期待できます。
【コレステロールの低下】
ポリフェノール、S-アリルシステインにはLDLコレステロールを減少させる効果があります。
黒にんにくの摂取方法
- そのまま食べる
白にんにくより刺激臭が少なく、フルーティーな甘みがあるので、そのまま食べても良い。
1日1~2かけ分程度を目安に食べることが推奨されています。 - 料理に使う
加熱しても香りが飛びにくく、調味料としても使用できます。
サラダにかけたり、ドレッシングにしても良いです。スープや炒め物に入れても風味が増して美味しいです。 - サプリメントで摂取する
黒にんにくには様々なサプリメントが販売されています。ドラッグストアやオンラインショップで購入可能です。1日あたり1,000mg程度を目安とされています。製品に摂取目安は記載されておりますので確認して使用してください。 - ドリンクとして摂取する
ドリンクとしても販売されています。ただし、添加物が含まれていることがありますので、成分表示を確認することをおススメします。
黒にんにくの選び方・保存方法について
黒にんにくの原材料は白にんにくですが、遺伝子組み換えでないか、どこで栽培されたものかわかるものが安心です。生産者のホームページなどを確認し、安全性や品質について見ておくと良いです。
また黒にんにくの健康効果を得るには、熟成期間を確認しておきましょう。
だいたい一か月ほどが一般的ですが、大量生産の為、熟成期間を短くしているケースもあるとか
熟成期間中にアミノ酸やポリフェノールが増えていき、甘さもでてきます。
保存方法は高温多湿、直射日光を避けた冷暗所で保存することが望ましいです。
注意点と副作用
副作用はありませんが、過剰摂取により、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。
食べ過ぎには注意が必要です。
また黒にんにくには血液をサラサラにする効果があります。
手術前など、血液をサラサラにすると問題になってしまう場合がありますので、医師に相談しましょう。さらに、妊娠中や授乳中の女性についても、相談することが推奨されています。
黒にんにくと白にんにくの違い
黒にんにくは熟成により黒色へと変色していきますが、見た目だけでなく、栄養や味わいにも変化があるので、どのような違いがあるか見ていきましょう。
栄養成分
- S-アリルシステイン
- ポリフェノール
- アミノ酸(一部)
- GABA
主に以上の栄養素が増えるとされています。
白にんにくはアリシンが多く含まれており、黒にんにくへと熟成する過程で分解されています。
アリシンはにおい成分で疲労回復に優れたビタミンB1の吸収サポートや免疫力向上、がん予防効果もされています。
味・風味・食感
白にんにくに比べ、黒にんにくは刺激臭が軽減され、フルーティで甘酸っぱい風味をもっています。
なので、胃へ刺激も少なく、食後に胃もたれや口臭が残ることが少ないです。
食感は、柔らかいしっとりとしており、ドライフルーツに近い感覚です。
黒にんにくを生活に取り入れよう
黒にんにくには多くの健康効果があります。
白にんにくに比べ、刺激臭が少ないので、日常的に取り入れやすいのはうれしいですね。
胃への負担も少ないのでお年寄りやお子さまにもおススメです。にんにくが苦手な人でも食べやすいかと思います。
興味のある方は食生活に取り入れてみてください。
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